ラハイナヌーン:太陽が真上にくる日(2019年日程あり)

北回帰線よりも南に位置するハワイ

地球上で南北の回帰線の間にある熱帯地域のみ、太陽が天頂を通過する。冬至のときに太陽が真上にくる地点をつなげたのが南回帰線、夏至のときに太陽が真上にくる地点をつなげたのが北回帰線だ。

ハワイの主要8島は北回帰線よりも南に位置するので、太陽が真上にくる日が年に2回ある。日本やアメリカ合衆国本土では見られないない現象だ。この現象は、ハワイではラハイナ・ヌーン(Lahaina Noon)と呼ばれている。

春と夏のラハイナヌーン

太陽が真上にくる地点は、冬至を境に南回帰線から徐々に北上するわけだが、ハワイでは5月後半にその年最初のラハイナヌーンがくる。太陽が真上にくる地点はハワイを過ぎてさらに北上し、夏至の日(6月22日ごろ)にハワイよりやや北にある北回帰線に到達すると、今度は南下を始め、ハワイでは7月半ば頃に2度目のラハイナヌーンを迎えることになる。

5月の1回目のラハイナヌーンは「Spring Lahaina Noon(春のラハイナヌーン)」と呼ばれ、7月の2回目のラハイナヌーンは「Summer Lahaina Noon(夏のラハイナヌーン)」と呼ばれる。

ラハイナヌーンの日は、ハワイ州内でも緯度によって異なる。太陽が真上にくる地点が北上していく春のラハイナヌーンは、2019年のホノルルでは5月27日だが、例えばホノルルより南にあるヒロ(ハワイ島)ではそれより9日早い5月18日であり、ホノルルより北にあるリーフエ(カウアイ島)では、5月31日にラハイナヌーンを迎える。逆に太陽が真上にくる地点が南下していく夏のラハイナヌーンは、この3都市でいうとリーフエ(7月11日)、ホノルル(7月16日)、ヒロ(7月24日)の順でやってくることになる。

2019年春のラハイナヌーン

  • ヒロ(ハワイ島):5月18日(土)午後12時17分
  • カフルイ(マウイ島):5月24日(金)午後12時23分
  • ホノルル(オアフ島):5月27日(月)午後12時29分
  • リーフエ(カウアイ島):5月31日(金)午後12時35分

2019年夏のラハイナヌーン

  • リーフエ(カウアイ島):7月11日(木)午後12時43分
  • ホノルル(オアフ島):7月16日(火)午後12時38分
  • カフルイ(マウイ島):7月19日(金)午後12時32分
  • ヒロ(ハワイ島):7月24日(水)午後12時27分

灼熱の太陽が最高点に達する昼

ラハイナヌーンという名前は、1990年にホノルルのビショップ博物館によって行われたコンテストで選ばれた名前である。ハワイ語で「la」(正確には「lā」)は太陽のことで、「haina」(正確には「hainā」)には「過酷な」や「残酷な」という意味がある。「noon」は正午や最高点という意味の英語で、つまりラハイナヌーンとは「灼熱の太陽が最高点に達する昼」という意味である。

影が体の中に宿る時間

自然の観察に長けていたことで知られる古代ハワイ人が、年に二度起こるこの現象を知っていたのかどうか調べてみたが、わからなかった。1990年にわざわざラハイナヌーンを新語として造ったということは、この現象をさすハワイ語はなかったかと思われる。

ただし、毎日の正午のことを表すフレーズとして「カウカラーイカロロ、アホイケアカイケキノ(kau ka lā i ka lolo, a hoʻi ke aka i ke kino)」というのがある。まるでなにかの呪文のようにも聞こえるが、「太陽が頭の上にあり、影が体の中に宿る時間」という意味になる。ハワイ人は、太陽が最も高い位置に来る正午を、マナが宿るスピリチュアルな時間だと考えていたようである。

マウイ島のラハイナ

ラハイナの町(マウイ島)
現在は観光地として人気があるラハイナ

ラハイナといえば、1820年から1845年までハワイの首都だった、マウイ島のラハイナ(Lahaina)という町を思い浮かべる人も多いだろう。この地名は古くは「Lāhainā(ラーハイナー)」と発音されていたそうで、直訳すると「残酷な太陽」となる。干ばつが地名の由来であると考えられている。

ラハイナヌーンの時間に、平らな地面で例えばペットボトルを立ててみると、太陽が真上にあるので当然影がない。5月末や7月半ばにハワイにいる方は、この年に2度の珍しい現象を体験できる。

ラハイナヌーン
2016年5月26日のラハイナヌーン時に撮影。太陽が真上にあるため、コーンの影がない

写真はすべて筆者による撮影