ハワイで見る南十字星

ハワイの南十字座イラスト
イラスト:崎津 鮠太郎

南の星座の代表格

時期にもよるが、ハワイでは、南十字星(みなみじゅうじ座)をきれいに見ることができる。88個ある星座のなかで最も小さい星座だ。小さいが、1等星が2つもあり明るくて目立つ。英語ではSouthern Cross(サザンクロス)という。

南半球ではもっとも代表的な星座のひとつである。オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどの南半球の国の国旗にみなみじゅうじ座が描かれていることからも、シンボル的な星座であることがわかる。ニュージーランドでは2016年3月に国旗を変更するかどうかを決める国民投票が行われた。結果として国旗の変更は見送りになったが、最終候補に選ばれた、シダの葉を意匠した新国旗案にも、やはりみなみじゅうじ座が描かれていた。

南方にあるために、北緯25度より北では見ることができない。つまり日本からは沖縄や小笠原などの一部の地域を除いては見ることができないわけだが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」で、銀河鉄道の終着駅として南十字(サザンクロス)が印象的に登場することもあり、日本でもよく知られている星座だろう。

アメリカで唯一、南十字星が見える州

ワイキキビーチから見える南十字座
ワイキキビーチから見える南十字星 | 写真:崎津 鮠太郎

北緯21度のホノルルでは、12月から7月まで、南の空の低い位置にみなみじゅうじ座を見ることができる。アメリカ合衆国内でみなみじゅうじ座が見られるのはハワイ州だけである。

ハワイ語では南十字星のことをハーナイアカマラマ(Hānaiakamalama)という。直訳すると「月に世話されている」という意味。古代ポリネシア人が航海をするときに、方角を知るための大切な星だったそうだ。

ハワイでは、5月から6月にかけて、時間的にもっとも気軽に見ることができる。明るい星座なので、街の灯りが多いワイキキのビーチからでもよく見える。旅行者も在住者も、ハワイで南十字星を見られるということを知らずに日本に帰ってしまう人が多いと思うが、12月から7月の間にハワイにいらっしゃる方は、ぜひ南の空で美しい南十字星を探してみてほしい。

南十字星が見える時間の目安(ホノルル)

  • 12月1日:6時半頃(日の出は7時頃)
  • 1月1日:6時頃
  • 2月1日:4時頃
  • 3月1日:2時頃
  • 4月1日:0時頃
  • 5月1日:22時頃
  • 6月1日:20時頃
  • 7月1日:日没後(19時半ごろ)

ハワイで南十字星を探すコツ

  • 南十字星の一番上の星と一番下の星までの長さと、一番下の星と水平線までの距離がほぼ同じ。
  • 「W」の形をしたカシオペヤ座が出ているときは、南十字星は出ていない。
  • 南十字星が出始める時間には、オリオン座は西に低くある。
  • 南十字星の右の星と左の星を結び、向かって左に延長した先には、ケンタウルス座のアルファ星とベータ星というふたつの1等星がある。特にアルファ星は、全天でおおいぬ座のシリウスとりゅうこつ座のカノープスに次いで3番目に明るい星なので、見つけやすい。
  • 南十字星の右側の星は、十字を形作る4つの星のなかでもっとも暗い。
  • 南十字星の右側の星の左斜め下には、通称「えくぼ星」と呼ばれるオレンジ色のイプシロン星(4等星)がある。
ホノルルの夜景と南十字座
ホノルルの夜景と南十字星。中央付近にケンタウルス座のアルファ星とベータ星も見える。左にうっすらと見える山陰はダイヤモンドヘッド | 写真:崎津 鮠太郎